利用する場合で気をつけたいポイント

「サ高住」の略称で知られるサービス付き高齢者向け住宅は、介護の必要性の少ない60歳以上の高齢者を対象とした、自立型の介護施設である。ほとんど民間事業者が運営しており、法定のサービスに加え、幅広く多彩なサービスを提供している点が特徴といえる。
ただし、あくまでも自立して生活できることが前提なので、原則的に介護自体のサービスは提供されないことになっている。例外として、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたサ高住であれば有料老人ホームに近い介護サービスを提供しているので、覚えておくとよいだろう。

例えば、サ高住を利用しようと考えた場合、具体的にどのような点に気をつけるべきだろうか。まず、居住スペースは25平方メートル以上あることが法律で定められている。ただし、リビングやキッチンといった、共同利用の設備がある場合は18平方メートル以上でもよいとされているため、必ず確認すべきポイントだろう。ただし、これはあくまでも1人用の場合であり、最低ラインの広さといえる。夫婦で入居する場合や、もっとゆとりのあるスペースを望むのであれば、さらに広い居室が用意されている施設を探すべきだろう。

また、施設内の設備についてもチェックする必要がある。例えばバリアフリー構造は法律で義務化されているので、実態が伴っているのか、しっかりと確認すべきだ。さらに緊急通報装置や見守りセンサーといった設備の有無についても、併せてチェックしておきたい。「サ高住」はあくまでも住居である以上、安心して暮らせる環境が揃っているかどうかという視点はとても重要である。
この他にも生活の質を高めるために、レストランや温泉設備あるいはシアタールームなど、入居者同士が集まって楽しめるような、共有スペースの有無も大切なポイントといえるだろう。